“天岩戸神社は宮崎県高千穂町に鎮座し、日本神話(古事記・日本書紀)の中に書かれております
天照大御神様のお隠れになられた天岩戸と呼ばれる洞窟を御神体として御祀りしており、
天岩戸神話の舞台となった場所でございます。
岩戸川をはさんで西本宮と東本宮が鎮座し、両社とも、天照大御神様を御祭神として御祀りしております。
川上には八百萬の神々がお集まりになり、御相談をされた天安河原がございます。”(天岩戸神社HPより)
言わずと知れた、神話の舞台となった場所、天岩戸。
洞窟に建てられた鳥居と、積み上げられた無数の石が幻想的な「天安河原」は、
宮崎の観光スポットとしても目にした人も多いのではないでしょうか。
そんな、簡単には語り尽くせない「天岩戸神社」の境内を歩いていると、
マイクで説明をしている宮司さんが。よくみると、1人だけ袴の色が違って、紫色。
「紫色」は、位が高いと学校で習った気がする…ちょっと声をかけてみよう。
こちらは、天岩戸神社・名誉宮司の佐藤延生さん。
数年前、息子の永周さんに宮司の座を譲ったあとも、精力的に活動をされているそう。
特に、若い頃から神話の研究に力を入れており、その成果を文献にまとめてきたというから驚きです。
突然声をかけた私にも、嫌な顔をせず丁寧に説明を聞かせてくださいました。
1日に数回、神社の方の案内で参拝することができるのは、この神社の御神体である洞窟「天岩戸」。
特別に案内をしてもらいながら教えてくれた、岩戸の「信仰」についての話が印象に残りました。
岩戸、ひいては高千穂の人々は、古来より「自然」を信仰対象としてきたとのこと。
山、水、風…全てに神が宿り、その恩恵を受け人々は生きている。そんな考え方は、日常生活の中にも根付いているそう。
例えば、山師の人は、持参した弁当を山で食べる際、米を一口、地面に落として山の神に捧げたり、
少年野球団の試合前には、グラウンドにお酒をまいて清めたり。
自然に対する敬意の気持ちが、ここには根付いている。
そんなことを気付かされる時間でした。